土井 昭のRide on 33rpm!!

 

土井 昭のRide on 33rpm!!

「歴代の33rpmの中でも突き抜けてスタビリティーが高い」と聞いたけど、オレも33rpmも45rpmも歴代乗り継いできたぞ。

ということで、今回は29インチへと進化したUn authorized 33rpm (以下 33rpm)を乗り込んできたのでその様子をインプレッションを交えてお届けします。

まず感じたことをザックリとお伝えすると…

  1. 29インチによる抜群の安定感と走破性がgood。
  2. 斬新な(絶妙な)?ジオメトリーが産んだ29インチとは思えないコーナーやジャンプの操作性がvery good!
  3. その操作性を活かして急勾配のダウンヒルで思い通りに楽しめるのがvery good!
  4. クロモリ製ハードテイルバイクのシンプルで無骨な雰囲気がgood。
  5. クロモリ製の丈夫なボディのおかげで思い切って遊べるのがgood。
  6. ちょっと重いのがbad。。。
  7. 激坂のヒルクライムは…仲間と喋りながら押し上げるからgood!(笑)

おそらく「操作性の27.5インチ」と「走破性の29インチ」でどちらにしようか悩んでいる方が多いと思いますが33rpmはまさに操れる29インチといえます。

~強度高めの里山ライド~

走行距離50km 獲得標高2000m

トレイルシーズンということでdtcスタッフの増田と井関の3人で里山ライドをしてきました。

もちろん3人とも33rpm!合計99回転!特に意味はありませんが同じバイクで揃うとテンションが上がります。事前にアテンドしてくれる増田に「久しぶりにガッツリ乗りたいからよろしく!」と伝えていたのでリクエスト通りかなりガッツリ乗りました。

朝9時に集合し雑談をしつつ出発。まずは3人とも苦手なヒルクライム。斜度10~17%の林道を息を切らせながら進む。みんな元気なので会話もはずむ。

33rpmはハードテイルバイクなのでペダリングのロスが少なく意外と進む。自分のバイクはリアカセットの最大が36Tとギヤ比が重いがROTORのQ-RINGがペダリングの効率を上げてくれるのでグイグイと登る。

途中で小休憩を取りつつトレイルの入り口に到着。ここからは時折り激坂が現れ余裕がなくなるがどれくらいの斜度を登れるのか競いながら頑張る。

33rpmはかなり下り寄りなジオメトリーなので、急斜面のヒルクライムでは少しコツが必要。フロントの浮き上がりを抑えるためにサドルはやや前にセッティングし上体はハンドルを胸の下へ抱え込むようにする。あとはリアタイヤのトラクションとのバランスを取りながらペダリング。

最終的にはバイクの登坂能力より人間の登坂能力が限界に達し「結局のところヒルクライムの能力は人間次第やな(笑)」と自分達の不甲斐なさを笑い飛ばしながら押し上げる。

のんびりと、そしてときどき頑張ってアタックするのが楽しい。

良い感じに汗をかいて標高590mほどの山頂に到着。景色を楽しみながら休憩し補給をする。今日はここへ3回登る予定。

ここからはしばらく尾根伝いにUP DOWNを繰り返し移動。ドロッパーシートポストがとても便利。

「ここからダウンヒルです。」とのことでテンションが上がる。自分は初めてのトレールなので増田の後ろを走る。ハイカーへの配慮をしながら余裕を持ったスピードで走るが時折でてくるガレ場やクイックなコーナーで増田のライン取りやカラダの使い方が上手い。

彼はダウンヒルや4Xのトップライダーとして活躍していたが今でもショートダウンヒルでフルサスに乗った若手ライダーにハードテールの 33rpmで勝つ実力を持っている。そんな彼のペースにおっかなびっくりな感じでついていく。複雑な木の根やガレたところでも何事もないように突っ込んでいくので焦るが思い切ってついていくと29インチの走破性とOHLINSの振動吸収性の良さでなんなくクリアできてしまう。自分が思う以上にバイク任せでいけそうだ。

しばらくは暖斜面で左右への切り返しが続くが増田に続いてヒラヒラとクリアする。タイトな切り返しや登り返しではハードテイルの良さが際立つ。実際の重量はそこそこあるが、ダウンヒル区間に入ると操作性が良いのですごく軽く感じるから不思議。

途中で後ろにいたはずの井関が姿を消す。しばらく待っていると追いついてきたが土で汚れている。聞くと井関は最後尾を走っていたがハンドル幅が1番広いので1人だけ狭い木と木の間でハンドルが詰まり前転したらしい。ゲレンデダウンヒルと違い里山ではハンドル幅はやや狭めの方が走りやすい場面がある。井関とライドするといつも何かやらかしてくれるので面白い(笑)

楽しいダウンヒル区間が終わりコンビニで補給。井関とはここで別れて増田と2本目へ。先程と同じ上りで山頂へ向かうがまだ余力あり。

山頂からは先程とは別ルートで激坂を多く含むアップダウンが続いた。激坂はとりあえずアタックし途中から押し上げて小休憩のルーティン。

そろそろ辛くなってきたころにようやく長いダウンヒル。一本目より急勾配で「こんなとこ下れんのか?」と思うところをいくつもクリアしオジサン2人で盛り上がる。

スムーズなところでは気持ちよくバイクを寝かしこむ。

下山し再びコンビニへ。かなり消耗したので多めに補給。

時刻は15時頃で疲労感もあるのでこれで終わるか相談。増田は3本目に行く気満々。自分は自宅まで遠いので帰りたかったが「ガッツリで!」とリクエストした手前ここでイモを引く訳にもいかず本日3本目の同じ上りへ(汗)  さすがに景色も覚えた。疲労で2人とも口数が減る。こういう場面ではROTOR Q RINGがさらに力を発揮する。(疲労によりペダリングが雑になったり力が入らなくなってもQ RINGの楕円がサポートしてくれるので登り続けれる。この感覚は疲れれば疲れるほど分かるのでSDA王滝 100kmのときなどでは重宝した。)

脚はあまり残っていないが激坂が現れるととりあえずアタックしテンションを上げる。もちろんアタック後の疲労感がハンパじゃない。なんとか頂上付近に到着。気温が下がり雪がチラついてきた。

本日3本目にして増田が「僕も行ったことないルートに行きます!」…いやいや、この時間にこの疲労で知らんルートはアドベンチャー過ぎへんか?と思ったが断ると負けたような感じになるので進む。ときどき止まってスマホで位置を確認して再スタート。マジで行ったことないんやな…(笑)

ここの下りはかなり狭く急勾配でダウンヒルというよりほぼトライアル状態。増田も初見でどっちが前でも同じなので自分が前を走るが木にぶつかったりポテ転けしたりでここでもオジサン2人は盛り上がる。

無事に下りきって16時30分くらい。あとは車のところまで戻るだけだと思ったが増田が更に行ったことのない次の山へ向かおうとする。さすがに日が暮れると危険なので阻止し車まで戻る。9時過ぎから17時までみっちりとライドして終了。

今回は元々スプリンターでそこそこの年齢のライダー2人がフラットペダルで50km 2000m upを走破できたので33rpmがオールマウンテンで楽しめると証明できたのではないでしょうか?急斜面でタイトなダウンヒルは筋力的にも体力的にも削られるし危険ですが、33rpmだとキャスターアングルがあってコントロールが効くので腕上がりなどの疲労感も軽減されて結果的に楽しく安全に下ってこれると思いました。そこそこ登れてガンガン下れる最高に遊べるバイクです。自分のスタイルに合っていて大好きなバイクになりました。いや~、ほんまに楽しかった!

次回は33rpmでちょっと違った楽しみ方を紹介します。お楽しみに。

 

 KEEP RIDING!!