ハンドポンプの選び方 〜グラベルバイク編〜

グラベルバイク(700x35C)用のハンドポンプの選び方
前回ロードでリカバリーを想定して5気圧の視点でポンプ選びを行いましたが、
もう少し種類を増やして、今回は35Cのちょっと太めのグラベルバイクに入れる想定で携帯ポンプ選びを。
クロスバイクの方もスライドして参考に。

ENVE45のリムにグラベルキングの700x35Cをセットアップしたホイール。
体重60kgの推奨空気圧は2.2BAR。
最大空気圧が高いポンプの方がいろいろ対応できそうですが、ハイボリュームのタイヤなら、最大4BARで見て選んでもよさそう。

楽に入れられるポンプを確かめてみましょう!

楽なポンプって?
ハンドポンプの「楽」には2種類あります。
・回数を減らすなら容量の大きいものを
・力を減らすなら径の細いものを

空気の入る量(容量)=シリンダー径面積x長さ
1回のストロークで送り込める空気の量は?
ポンプの仕組みはこんな感じ。

ピストンが、シリンダー内の空気をホースを通じて、チューブに押し込んでいきます。
シリンダー内径の面積x長さ
この容量が大きければ、一度に送り込む空気が多くなります。

=ポンピング回数が少なくて済む。

モデル名の下につくHV、HPは
HV:ハイボリューム
HP:ハイプレッシャー
の略になります。
カタログスペックには出ていない、シリンダー内の容量を実測すると下記の通り。

※画像をクリックすると拡大されます。



シリンダー径面積は直径で選びましょう
次にかかる力は、圧力なのでシリンダーの内径(ピストンのヘッドの直径)によって変わっていきます。

小さくすると、先程の空気量は減りますが、小さな力で押し込む事ができます。
大きいと逆に力を多く必要とします。
ラクに入れようと思うと、細いほうがオススメ。

グラベルバイクに最適なポンプは?
700x35Cを4BARまで入れる場合の比較テスト
ポンピングテストを行いました。


ぺちゃんこからスタートしたいところですが、
気圧がブレるため1BARからスタート
50回毎の気圧をチェック。
2BAR、3BAR、4BARに達したところをチェック。

4BARに達した時点で終了です。
左から順に早く、4BARに達したモデル

※画像をクリックすると拡大されます。

若干のブレはありますが、概ねスペックと比例した結果が得られています。
1気圧あげるのに、数が少ないもので50回、多いものでは200回。
ROAD DRIVEのSが後半伸びが悪いのはエラーだと思います。(テストの後半で、疲れてしまっていたのが原因かと。再計測して修正します!)
→5/20再テスト、更新済です!!


結論どのポンプがベストグラベルポンプ?
回数の少なさだとHV DRIVE Mがよさそうですが、4気圧で180N(約18kgf)と重く、サイズも大きい。
今回HV(ハイボリューム)対応のポンプが1種でしたが、このサイズをいくなら今回サイズからテスト外にしましたが、MICRO FLOOR DRIVEも選択肢に入ってきます。
意外だったのは、ハイプレッシャーポンプながら3番手につけたROAD DRIVE M。
径の細さを、長さでカバー。(ストローク長は長くなりますが)。
でもいろいろなバランスを考えてみてのベストは?

HPポンプで最速だった、GRIP DRIVE HPがベストグラベルポンプ!
価格と、入る量、サイズのバランスで見ると2番手につけているGRIP DRIVE HP Sがおすすめです。
と、一旦結論づけてみましたが、複数バイクをお持ちの方、空気圧を高めに入れたい方、様々な選び方があると思います。
ボリュームと、力の関係を参考にしてぜひあなたにぴったりなポンプを見つけて見てください!

テストを振り返ると、合計3000回のポンピング
楽とは言い難い…

振り返ると、合計3000回以上のポンピングをしていました。腕の筋肉は悲鳴をあげています。
このテスト結果を出したら、ひかれてしまうのではないか…とも思いましたが、ハンドポンプはどうしてもこうなります。

ハンドポンプは失敗はしにくいですが、やはり楽ではないと思います。
楽を求めるなら、CO2も持っておきたくなります。
HVポンプで、1気圧まであげて、漏れや、チューブの噛み込みなどチェックして、そこからCO2という選択がベストかもしれません。
今度はCO2のテストも行ってベストなリカバリーを提案します!


最後に、LEZYNEのオフィシャル携帯ポンプのムービーを。
LEZYNEの魅力は、スペックもそうですが、単純にモノとしての美しさにあります。
携帯ポンプ、携帯工具、携帯するものは携帯したいもの、自慢したいものがいいですよね!

LEZYNE ポンプ TEST コンテンツ

LEZYNE TEST コンテンツ

バランスの取れたハンドポンプ

変わらなかったのは空気を入れる