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元?BMXレーサー 土井 昭の3度目のSDA王滝100kmへの挑戦VOL.3



元?BMXレーサー 土井 昭の

SDA王滝100km 3度目の挑戦 VOL.3


番外編
2度目のSDA王滝100kmへの挑戦(2018年5月)

さてVol.3として予定していた装備やトレーニングなどの準備編の前に、前回にサラッと紹介した2回目の挑戦ですが6月9日の今年のレース本番をよりリアルに楽しんでいただく為に番外編としてお送りしたいと思います。
「結果は知ってるからいらんわ〜」とか言わないでくださいね。(笑)

自転車レース歴は33年になりますがなかなか謎と人間味が溢れたレース展開になりました。

レース前日

2018年5月21日 SDAクロスマウンテンバイク in 王滝100kmに2回目の挑戦をしました。
バイクは29erのカーボンHT、チューブレスタイヤに変更し1回目に比べ10倍以上戦闘力がアップ!
トレーニングは前回と同じくらいの3カ月弱しか行っていませんが前回のように大怪我明けではなく健康な状態からスタートできたので充実しました。

健康って最高です!(笑) レース前日の朝に土井、増田、井関と王滝村へ出発し午後に到着。

SDA王滝100km


5月の王滝は周辺の山に雪が残っていて景色がいい。
しばらくすると佐々木、帖地も到着しみんなで自走で王滝の湯へと向かった。
温泉までは長いダートのヒルクライム。
一番若手のローディ帖地が圧倒的に速い!
天然温泉を楽しんだのち参加賞のTシャツを着て記念撮影。修学旅行のような気分だ。


SDA王滝100km

この後、松原スポーツ公園まで戻ってからiphoneが無いことに気付き急いで車で取りに行ったのは内緒です 。
無事、この位置にこのまま置いてありました。(汗)

夕食を終え最終準備。今回もみんなにコースプロフィールとドリンクをプレゼント。
自分用はもちろん子供達からの応援メッセージ付き!グラフに字がかからないように指導済みです。(笑)

SDA王滝100km

もちろん今回も増田用を用意しておいた。どうせ使いませんがラミネートとパンチで穴あけまでしています!

SDA王滝100km

このコースプロフィールには「世界から見れば100kmなんてたいしたことないよ」というメッセージが込められているとかいないとか…?
思っていたよりすごく喜んでもらえて良かったです。(笑)

この時点ですでに2人の戦いは始まっていますがレースが始まると更にお互い駆け引きの応酬になるとはこのときは知らない…。

レース当日の朝

レース当日の朝は3時過ぎに起床。気温は−3℃くらいだったような?

寝不足と寒さで車から出る気になれないが気合い一発で準備を始める。初挑戦のときより早い3時半ごろからスタートの場所取りの場所取りを行いかなり前の方にバイクを並べた。2回目ということで慣れたものです。


今回も天気は良いが非常に寒くレイヤリングしているライダーが多い。自分は薄手を3枚着たが結局脱ぐことはなかった。ボトルのドリンクも軽くするために少なめにした。

今回のレースプランは前回とは全く違いテーマは「攻める!」
2回目ということでコースは分かっているし不安はない。むしろ自信がある。
(実際は後半部分が変更になっていて思っていたのとずいぶん違った。全然分かっていませんでした…)
前回は抑え気味にスタートしましたが今回は速めのペースで走り後半は気合いで耐える作戦。



スタート

SDA王滝100km

かなり前の方のポジションでスタート時間が近づくと徐々にテンションが上がる! 前の方は気合いが入ったライダーが多い印象。


SDA王滝100km

王滝名物、神主によるご祈祷が行われ気持ちを整える。
メンバーとはお互い無事にゴールできるよう言葉を交わし気合いが入る。

カウントが始まる「5.4.3.2.1… プォ〜ン!」こちらも王滝名物のちょっと気の抜けたスタート音と同時に800台を超えるMTBが一斉にスタート!
林道に入るまでのパレード走行ではすぐ近くに先導車とトップグループが見えるが林道に入り先導車がいなくなると同時にトップグループが加速し消えていく。
自分には明らかにオーバーペースなので見送ったが帖地がついていったようだ。

そして増田は自分の少し後ろにいることを確認。
最初の大きな登りに入る。まだ比較的上位にいるので全体的にペースが速い。
前回はこの時点で100台くらいに抜かれたんじゃないかと思うが、今回はついていける。
ギヤも1番軽いギヤに入れることもなくグイグイ踏めている。(前回はすでにローギヤを使い切っていた)

SDA王滝100km

心拍数を160以下に抑えつつテンポよく登る。バイク変更とトレーニングの効果があって最初の大きな登りのピークまで余裕で到達。

油断をしてしまったのか、うっかりとボトルを落とし急いでボトルを拾いに戻る。
少しロスしたが増田には抜かれてはいないようだ…(と思っていたが実は…)。


その後アップダウンを繰り返しCP1が近づいてきた。
CP1は下りの途中にありスピードが乗っているので止まりたくない。ボトルのドリンクも体力もまだまだ余裕があるので今回はパスすることに。
きっと増田は前回と同じく補給をしているはずだ…(と思っていたが実は…)。



CP1からCP2へ

CP1からは長い下りが続く。鋭利で大きな石が多く落車やパンクしているライダーがちらほらいるので、スタンディングでバイクへの衝撃を減らしながら先を急ぐ。

長い下りが終わり上りでペダリングを開始すると急に腰痛が出た。
気温がかなり低いうえに長い下りでダメージを受けたのかもしれない。
思うようにペダリングができず鎮痛剤を飲み平坦区間を走っていると見覚えのある選手が止まっている?? 

「あれ?」後ろにいると思っていた増田が前で止まっている。ここからしばらく土井vs増田の戦いが始まるのだった。

「どうしたん?」と、追い越しながら聞くと「暑いからウェアを脱いでるんです」と言ったような気がするがあまり聞き取れていない。
頭の中は「いつの間に抜かれてたんや??」でいっぱい。(笑)
あとで聞くと自分がボトルを拾っているときに声を掛けずに追い越していったらしい!
CP1も一気に引き離すために全力でスルー!なかなかやってくれますねー!(笑)

50km地点を通過し平坦区間が終わり徐々に上り区間に入ると増田が追い付いてきた。

土井 「なんで止まってたん?」
増田 「暑かったんでウェアを脱いでたんです。あと腰が痛くて。」
土井 「へ〜、そうなんや?腰が痛いのはキツイな。」


ここはあえて自分も腰が痛いことを言わない。(笑)
そのまま増田はペースを上げ引き離しにかかってきたが、ついていかず自分のペースを守る。
「増田は無理をしている。たぶんまたペースが落ちるはずや。」そう思い様子を見る。

彼の背中がかなり遠くなったので木や岩を目印にタイム差をカウントすると30秒差くらい。
「もしかしたら元気かも?」と少し不安になったがしばらく経つと30秒以上離れなくなる。

このとき増田は自分のことを一気に引き離し心を折る作戦だったらしい。(笑)

徐々に背中が近づいてきて20秒 … 10秒と差が縮まる。見たところペダリングに力がない。
「これはオレの時間がきたな!」そう思うと自分も体はキツイが急に楽しくなってくる。
「どこでどう仕留めようか?」とワクワクしながら差を詰める。
上りの斜度がきつくなったところでラインを変えて一気に並びかける。
「ぶつけてもいい?」と冗談を言いながら寄せると「ぶつけ返しますよ!」と返ってきた。
体は辛そうだが気持ちは切れていないことを確認。まだまだ注意が必要だ。

彼とは4XやBMXのレースで何度も激しいバトルをしてきたが過去最高にスローペースなバトルを繰り広げた瞬間でした。(笑)

ここは逆に彼の心を折るために振り返らずスパートをかけ差をつける。 お互い追い越しや、痛いところを黙っていたり、相手の心を折ろうとしたりと体力だけでなく心理戦もフル稼働させてます。面白いですね〜。(笑)

しばらく経って振り返ると姿は見えなかったが気を抜かずに先を急ぐ。



補給は注意が必要

増田を引き離し長い上りが終わるとようかんを補給。すぐに下りに入ったので一口で口に入れたがこれが今回のレースで一番のピンチになることに!

ハイペースで上っていたので心拍数が高く息切れと口の渇きでようかんが粘土のようになり噛めない!

ようかんで口がいっぱいになり口呼吸が全くできず全力の鼻呼吸!ダウンヒルの振動でドリンクも取れず「んふ〜!んふ〜!」と鼻息も限界!あまりに苦しくて吐き出そうか止まってドリンクで流し込もうか悩んだが走ったまま食べることにした。
この日一番の集中力を発揮し少〜しずつ羊羹を分解することに成功!
徐々に飲み込みセーフ!

皆さん、ようかんを補給するときは一気食いはやめた方がいいです。ようかんは悪くないんです。悪いのは軽率な自分です。もしかしたら疲れで判断力が鈍っていたのかも(笑)

そんなことをしているうちにやはり疲労が徐々に襲ってきて速度が出せなくなりフラフラでCP2へ到着。



CP2、CP3からゴールへ

長い上りを終え約64km地点のCP2へ到着し今回唯一の休憩。

腰痛は悪化し膝も痛み出していたが油断はできないので素早くボトルに水を補給する。
「増田が現れるか?知らない間に抜かれていないか?」どれくらいの差があるかわからないので急いで再スタート!

SDA王滝100km

ここからはガレた長い下りと綺麗な川沿いのアスファルトの下り区間が長く続いた。
しばらくしてから前回とコースが違うことに気付く。(気付くのが遅い!!)

アスファルトの長い下りは王滝らしくないが最高に気持ちがいい。しかし、たくさん下るとたくさん上るのが王滝のセオリーなので徐々に怖くなってくる。

42kmの部と思われるライダーがチラホラ現れると一輪車のライダーを発見!
さすが直結ギヤ無し!綺麗なアスファルトの下りを凄まじいケイデンスで駆け抜けている!

もちろんこちらはトップギヤに入れているので一瞬で追い越させてもらいましたが、尊敬の気持ちと笑いが同時に込み上げて元気をもらいました。(笑)

下りが終わるころに暗くて長いトンネルが現れたがLEZYNEのライトで快適に通過。
すぐにCP3らしき場所に出てきたがドリンクはほぼ満タンなのでスルー。
ここからまた長い上りになるが足に力が入らない。42kmの部の選手も苦しそうなので声を掛けながら抜いていく。

コースプロフィールに書いてくれた子供たちのメッセージに何度も目をやりブツブツと独り言を言う。「もうあかん…いや、まだ余裕や…」前回と同じくネガティブとボジティブの無限ループに入るがなんとかピークにたどり着く。
やがて長い下りが続く。もう一度最後に長い上りがあると思い少しだけ力を残しながら進むと「ゴールまで××km」という看板がいくつか出てきた。

まだゴールには早いと思ったので20kmの部や42kmの部のゴールかと思ったが上り返してカーブを曲がるとなんとゴールが現れた!
「えっ?マジで?ちょっとだけ力を温存してるし!」そう思ったがゴールはゴール。

タイムは6時間4分。
残りの力をアドレナリンと融合させて爆発させていたら6時間きれたかも?
いや、コース変更があるのに確認不足だった自分が悪い…反省です。

とはいえバイクやシューズは泥々、体もガタガタでほぼ限界。

SDA王滝100km

ゴールした選手たちが少し下ったところで休憩していたので先にゴールしているはずの帖地を探す。
見当たらないので先に駐車場へ戻ったか?と思った瞬間ゴールに帖地が飛び込んできた…えっなんで!?

「途中で大きくコースを間違えたんですよ!」とは帖地談。理由は何であれ負けは負け、言い訳でしかありません。(笑)

SDA王滝100km

さらに数分後に増田がゴールしてきてようやく自分の勝利が確定しホッとした。

CP1の前に知らないうちに抜かされていたことがかなりのトラウマになりましたね。(笑)

SDA王滝100km

最後にもう一つ上りがあると思い自分と同じく少し力を残してのゴール。
終始腰痛に悩まされたようだが最後まであきらめずに追いかけたらしい。

油断せずに逃げ続けておいてよかった。

井関、佐々木の2名がまだゴールしていないが先に駐車場へ戻る。ゴールから松原スポーツ公園までは長い下りが続くがここも景色が綺麗。

SDA王滝100km

駐車場でしばらく休んでいると佐々木も無事にゴールし戻ってきた。
さすが過去最悪の大雨の王滝を完走したことがあるだけにしっかりと2回目の完走!

残るは井関だがなかなか戻ってこないので佐々木が「自分、ゴールまで見てきます!」と男前すぎる行動に出る。おそらく今回は駐車場からゴールまでは10kmほど上るのに…
もちろん自分たちは「がんばってー」と見送るだけで動く気になりません。(笑)
温かくなってきたのでまったりタイム。

SDA王滝100km

しばらくすると2人が一緒に戻ってきて井関も8時間57分で完走したことが分かりみんなで健闘を称え合う。
井関が一番疲労困憊の様子で「何度も足が攣って大変だった」などレース中の話で盛り上がる。
彼は帰りの道中一度も起きることなく家に着いた。



まとめ

今回もスタートからゴールまで各自にドラマがありました。増田と帖地がそれぞれいつの間にか前にいたり後ろにいたりと「君たちは忍者か?」とツッコみたくなりました。(笑)
みんなそれぞれトラブルがあったりレース中にいろんなことを考えて走っていたりするのが面白いですね。

何はともあれ一緒に参加したメンバー全員が無事にゴールし、尚且つ自分が一番最初にゴールできて最高でした。

反省としては事前にしっかりとコースの情報を調べておいて全力を出し切ることです。
せっかくのレースなのでそこが大切!

初挑戦の後と違いもう一度ここへ戻ってきそうな予感を残しながら王滝村をあとにしました。
そして今回実際に戻ることになるんですが過去の経験を活かしていいレースがしたいと思います!

SDA王滝100km

2019年6月の挑戦はDTCから新メンバーも参加予定なのでどんな展開になるのかすごく楽しみです!
良い走りができるようにしっかりと準備ですね!

雨だけは降らんといてや〜!

では次回こそ、トレーニングや機材の紹介編へと続きます。