BRUNOが応援する「旅」 〜世界の自転車旅をサポート〜 若者よ旅に出よ! 第2弾

世界旅 第2弾
伊藤沙也加の北米西海岸縦断の旅
VOL.4

 自走の旅もようやく中盤まできている。
ちょうどオレゴン州とカリフォルニア州の間を走っている。自分との戦い。それでも、みんなに励まされながら、アメリカの西海岸を縦断している。楽しく新しい気持ちで、毎日をハッピーに過ごしたい。

MAP

9/19
【ブルッキングス〜クレセント・シティ】
24miles 8:30-11:30

 雨予報は明後日まで続いている。少しでも前に進みたくて、今日はクレセントシティまで走った。疲れているせいなのか、一歩一歩に力が入らない。自分と向き合いながら走り続けていると、「welcome to California」の看板が。なんと、カリフォルニア州に突入したのだ。「やっとここまで来られたのか。」という気持ちになった。

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 昼過ぎにはクレセントシティに着き、久々にカフェでゆっくりした。今日も夕方からウォームシャワーズのホストにお世話になる。ホストのゲイリーとチューディーもビーガンのようだ。温かいシャワーを浴びた後は、野菜もりもりのビーガンディナー。これでもかという程の野菜の量。久しぶりにこんなに野菜を食べることができて幸せだった。ゲイリーは私のために豆腐とキノコのお味噌汁も用意してくれていた。その気持ちがとても嬉しかった。

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 彼らがビーガンになったのは5年前で、チューディーに癌の腫瘍が見つかってから健康を意識し始めたそうだ。アメリカ人は、ファストフードばかり食べているからあんなに太っているのよと笑いながら話していた。

 「ビーガンは卵も乳製品もだめなんだよね?クッキーもアイスクリームも食べれないのは辛いね。」と話したら、「DEATH BY CHOCOLATE(とても甘そうなチョコレートのレシピ本)」という本を持ってきて、「この写真を見ているだけで食べている気になるの。」と言ったので、みんなで大笑いした。

 彼らの息子は、ラスベガスでベンチャー企業を立ち上げたらしくて、チューディーは私の親の気持ちがすごくわかると話した。「心配で不安だけど、でも応援したいのよ」と。

 初めて出逢った夫婦なのに、昔から仲良しなのかと思うほど笑いあえて、お互いの旅の話をしたり、健康の話をできたり、充実した時間だった。ふたりの仕草がシンクロしていたり、楽しそうにしていたりする姿を見てほっこりした。歳を重ねても、仲良く愛し合っている夫婦は素敵だ。私の理想でもある。

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9/20
【クレセント・シティ】

 朝は、甘いおかゆをいただいて、お家を後にする。ウォームシャワーズのホストは皆あたたかくて、自転車フレンドリーな人が多いので、ルートのアドバイスをくれたり、自転車の調子をみてくれたり、とてもありがたい。ゲイリーにも自転車旅後半のルートの相談をした。

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 今日は、同じクレセントシティにある教会に泊まらせてもらう予定だ。昼頃に教会につき、中を案内される。ケイティという可愛らしいおばあちゃんがホストである。スペイン人のクリスチャンが先に宿泊していた。彼は、アラスカから南米まで2年かけて自転車で旅をしているらしく、自身のウェブサイトまで持っていた。スペイン語が母国語なので、挨拶や自己紹介の仕方などたくさん教えてもらった。

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 そのあとは一緒にランドリーへ。やっと洗濯ができるとウキウキの私。20ドル札を両替したら、大量の25セントが出てきて思わず2人で大笑い。1時間ほど待って、スーパーに寄って、教会へ戻った。彼は、アメリカのスーパーは高すぎると言っていた。スペインではビールが2ドルほどで飲むことができるらしい。「それじゃ、水のように毎日ビールが飲めちゃうね!」と伝えたら、「You are crazy」といって笑っていた。お互い曖昧な英語とジェスチャーで会話をしていたが、本当に楽しかった。

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9/21
【クレセント・シティ〜エルク・キャンプグランド】
8:30-15:30 34miles

 今日は冒険した気分だった。朝は、クリスチャンとお別れして、クレセントシティを出た。自転車旅後半戦、最初の山場は、大きい峠を2つ越える。ドキドキしながら1つ目を走っていると、あれ?変な音がする。
 なんと、パンクしてしまった。パンク修理経験のない私はパニックになる。Youtubeで何度か修理方法の動画は見ていたものの、うろ覚えである。でもこうなったら、やるしかない。誰も助けてくれないのだ。試行錯誤し、約1時間半以上かけて、パンクの穴を探し、修理キットでなんとか補強できた。旅にアクシデントはつきものである。直せて良かった。 そして、急な上り坂の途中だったため、良い休憩になったとポジティブに考え、ひたすら軽いギアで上り続ける。50回ほどペダルを回して、止まって、回して、止まって、の繰り返し。さすがにエンドレスで山道を走ることはできなかった。終わると下りがずっと続くのだ。木々の中を走り抜けるため、森林浴をしているみたいでとても気持ちよかった。

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 2つ目も同じように、上りが続く。ここからは、「Redwoods National State Park」の中へと、冒険さながらで入っていく。驚くほど大きな木々がそびえる森の中を走り続ける。何年かけてこの木々たちは、これだけ成長したのだろう。大きすぎてカメラに収まりきらない木もあった。最後は7マイルほど、下りが続き、木々に見惚れ、自然は偉大だなと感動した。

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 「旅」には変わりないのだが、映画の主人公になった気分だった。青く大きな空と、背の高いレッドウッズに囲まれた森を、何も考えずに、駆け抜けるのが、とても気持ち良かった。



9/22
【エルク・キャンプグランド〜ユリーカ】
67miles 8:30-13:30

 今日は100km以上走行した。なんだか筋肉がついてきた。今日は朝早くから走ったため、昼過ぎには目的地に到着。朝は濃霧だったが、久々に天気も良くて、アップダウンの坂も楽しむことができた。大自然を見ながら自転車をこぐのが楽しすぎて、ウォームシャワーズのホストの家を20km近く通り越してしまったのは、自分でも笑ってしまった。

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 走っていると、途中から変な音がして、ユーリカの自転車屋で見てもらうことに。なんと、後輪のスポークが5本も折れていた。自転車は限界まで頑張ってくれていたようだ。ありがとう、相棒。

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 ホストの家まで走って戻ると、ウェンディとマイコーがあたたかく迎え入れてくれた。彼らは自分たちの庭に、池を作っている途中だった。彼らは、サウナや野外シャワーも自分たちで作っており、「何でも出来ちゃうんだから。」と満面の笑みで答えてくれた。

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家の中もハンドメイドの亀や魚が飾ってありとても素敵な空間である
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 夜は、山で採れたマッシュルームを使ったペンネを作ってくれた。彼らは、自転車で3か月かけてアメリカ横断しており、タンデムという2人乗りの自転車を持っていた。60歳を越えても、この体力があるのは本当にすごい。

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 終わってから近くのゴルフ場に行って、犬の散歩。2人とも仕事をリタイアしているのだが、もともとウェンディはお医者さんでマイコーはカーペンターだったらしい。マイコーは奥さんを亡くしてウェンディと再婚。ふたりとも毎日が充実していて楽しいといっていた。ミルキーウェイの満天の星を見ながら、彼らの人生の話を聞いた。二人は13歳からの知り合いで幼馴染らしい。

 人生何が起こるかわからない―。

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9/23
【ベイサイド〜バーリントン・キャンプグランド】
55miles 9:04-17:30

 朝ごはんはポテトをいただいてから、今までの自転車旅の動画を見せてもらった。夫婦で好きなことをやり続けることは、すごく難しいけれど、これ以上の幸せはないのだろうなと感じた。彼らの表情はとても優しく柔らかい。顔のシワの多さを見て、たくさん笑って生きてきたことが見て取れたのだ。

 そして、朝は9時ごろに出発。サイクリングマップに沿って走っていたのだが、101からそれる道を発見。行ってみることにしたのだが、非常に遠かった。その道は、ファーンデールという街を経由するため、1時間くらい街を探索した。

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途中で美味しそうなトマトを食べた
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 女子が好きそうなハンドメイドの雑貨屋やコーヒースタンドが並んでいた。街並みもカラフルで可愛かった。雑貨屋さんのお姉さんと30分くらい世間話。彼女の旦那さんが作った雑貨を販売しているそう。この街でも多くの人に応援してもらい、元気づけてもらった。

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その後は再び山道に戻る。Ave of the Giantsというレッドウッズがたくさんある道を25kmほど走行。レッドウッズに囲まれたキャンプ場に泊まることにしたのだが、この日はバイカーに会えずにひとりで寂しく眠りについた。

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9/24
【バーリントン・キャンプグランド〜メンダシーノ】

 アメリカ自転車旅、始まって以来のヒッチハイクをした。ついに自走をストップ。悔しい気持ちでいっぱいだったが仕方なかった。自転車の後輪が全く動かなくなったのだ。走っていたら、ブレーキシューにタイヤが当たって全く進まなくなった。進もうとしても、ハンドルが取られてしまう。101ハイウェイで動くことができず、ヒッチハイクをすることにした。

 しかし、車が捕まらず、とぼとぼ歩いていたら、ようやく一台の車が止まってくれた。メキシコ人のバルタサーラが快く乗せてくれたのだ。「サンタローザまで行くから一緒にいこう!」と言ってくれたのだが、自走がしたくて断った。彼には10マイル先のガーバービルという街で降ろしてもらった。

 降りたはいいものの、今日は日曜日でどこもお休み。そして、山の中のガーバービルには、自転車屋はないらしい。ユーリカまで戻るか、先に進むしかないようだ。立往生して、通りがかったバイカー3人に自転車を見てもらったのだが、「これは自分で直せないね。」と言われた。悩み考えぬいた結果、行動しないと何も変わらないなと思い、とりあえず南に向かう101で、再びヒッチをすることにした。

 30秒後。「のっていく?」と声をかけられた。早すぎてびっくりした。しかも、フォートブラッグに向かうというのだ。南に行く道路は、レジェットという街で101と1に道が別れるのだが、ほとんどの車が101にいく。でも私は海岸沿いの1を走りたかったため、フォートブラッグにいく車を探していたのだ。ヒッチハイクを始めてたったの30秒。奇跡だ。

 ジョンと話しながらフォートブラッグを目指す。険しい山道が続く。ここを登るはずだったと思うと、本当嫌になる。しかし、走りたかったなという想いもそれ以上に強かった。悔しい。彼の子どもの話を聞いたり、いろんな旅の写真見せてくれたり。1に入ってからは、ジョンのお気に入りの海や場所に連れていってくれ、友達も何人か紹介してくれた。

 そして、やっとの思いで、自転車屋に到着。しかし、日曜日なので空いていなかった。明日の9:30にオープンするらしい。私はホテルを探そうと思っていたのだが、当たり前のように、うちに泊まっていきなよとジョンが笑顔で言ってくれた。ここまで連sれてきてくれただけでも感謝しているのに、家に泊めてもらうなんてできない。しかし、ジョンは「ノープロブレム!カモン!」と言ってくれた。

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ジョンは3冊本を書いていた

 森の中にある彼の家へ着いた。子どもたちは遠くに住んでいるため、彼らの部屋で寝ていいよと言ってくれた。途中スーパーで、IPAとトマトとリンゴ買おうとしていたら、「払うよ」と。本当に優しすぎて、逆に何か裏があるのではないかと不安になるくらい。家でビールを飲んでいたら、ジョンの隣に住んでいる人たちが会いに来てくれて、そのまま彼らの家で夜ご飯をご馳走になった。トッドとローランとレニー。彼らは合気道をやっていて、アイキースピリッツを大事にしていた。

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 トッドには、「日本の津波は大丈夫だった?今はどうなっているの?神様は信じている?」など、私が自信を持って答えられない質問ばかり聞かれて戸惑った。しかし、自分の思うことを伝えるのはとても大事なので、一生懸命曖昧な英語で話した。

 ジョンのおかげで、彼の友達やトッドたちに会う事ができた。
人生何が起こるかわからない―。 

 自転車が壊れてヒッチハイクをしていなければ、彼らに会う事は出来なかった。毎日がスリリングで刺激的。だが、これが私の望んでいた旅の形なのかもしれない。計画通りもいいが、ハプニングがたくさんあって、毎日が想像のつかないような人生が好きだ。今日も出逢った人たちに感謝をして、明日を楽しみに生きようと思った。

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監修

ルーカス B.B 氏
地上で読む機内誌
PAPERSKY 編集長
ルーカス B.B 氏
山下 晃和 氏
旅するファッションモデル
山下 晃和 氏
松田 吉弘 氏
サイクルスポット
松田 吉弘 氏
河鍋 優美子 氏
サイクルスポット
河鍋 優美子 氏

協賛

le cyc traveler BROOKSPAPERSKY
BRUNO VENTURA WORLD TRAVEL